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東海愛知新聞

矢作川の洪水事前予測

岡崎市と東大生研 技術活用で対応力向上

岡崎市と東京大学生産技術研究所(生研)はこのほど、洪水の事前予測技術を活用して、避難情報の早期発令を目指す取り組みを共同で始めた。国内初の試みで、風水害への対応力向上を図る。(犬塚誠)

使うのは、人工衛星が集めた雨や風、河川などに関する情報とコンピューターシミュレーションを融合させて洪水情報を予測する技術。現状では39時間先の状況まで見通すことができる。AI(人工知能)も活用する。

本年度は24日ときょう25日に、予測技術を使って矢作川増水時の避難に係るシナリオを作成する。来年度はシナリオが機能するかを机上訓練で確認し、予測技術の避難計画への活用に向けた課題を洗い出す。

生研が岡崎に着目したのは、市西部に広がる矢作川浸水想定区域に約20万人が暮らすという地域的特性から。矢作川には流域自治体などで組織する研究会もあり、広域連携の面でも好事例になると考えた。

近年は気候変動で大雨が頻発し、従来の避難情報の発令基準が通用しなくなりつつある。早期発令をするにも「頼るものがない」中、予測技術によって科学的根拠に基づいた避難情報の早期発令を可能にしたい考えだ。

内田康宏市長は「迅速で的確な避難行動を実現するためには、科学的な情報の活用が極めて重要」、生研の芳村圭教授は「予測性能の向上はもちろん、伝達された情報で社会対応力を上げることが大切」とそれぞれ語る。

なお、両者は3月31日、取り組みの共同実施に当たって協定を結んでいる。

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