想定以上の地下リスク
岡崎市 阿知和地区工業団地造成事業
岡崎市が2026年度末に完了を目指す阿知和地区工業団地造成事業において、市は想定以上の「地下リスク」があったことを明らかにした。6日に開かれた市議会6月定例会の中根武彦議員(自民清風会)の一般質問に答えた。 (竹内雅紀)
地下リスクは、地下の地盤や岩盤などの不確実性に起因するリスクのこと。硬い岩があることや軟弱な地盤であることなどを事前に想定するが、実際にボーリング調査などを行うことで詳細が明らかになる。
市地域創生課によると、本年度に入って事業契約を結ぶ業者から一部エリアでの硬岩と軟弱地盤の報告があった。市は造成事業費の10%程度を地下リスク対応費と見込んでいたが、業者から報告された部分は、当初の想定を上回る対応が必要となり、造成事業費の10%程度を超過する見込みだという。
現在、市は内容を精査中。業者との協議が整い次第、今後の市議会において増額補正案や変更契約議案を提出する可能性がある。ただし、造成事業の完了時期は「26年度末を目指す」との姿勢は崩していない。
アクセス道路 計画より遅れ
また、同団地に接続する3つの関連道路(アクセス道路)の進ちょく状況にも触れ、一部で当初計画(26年度末に完成)より遅れるとした。主な要因は用地取得の遅れという。
同団地と花園工業団地をつなぐ北アクセス道路では、用地取得が全体の約6割。岡田晃典総合政策部長は「令和8(2026)年度末の開通を実現したいと考えているが、相手方のあることなので見通しは不確定」と答弁した。
阿知和地区工業団地から龍北総合運動場までをつなぐ南アクセス道路は、おかざき農遊館(東阿知和町)の前を東西に走る市道岡崎環状線までの北側区間は全て用地取得済みで、計画より1年早く本年度末に開通できる見通し。一方で、同線南側の区間は今後用地取得をするため、開通は2年程度遅れ、28年度末になるとしている。
同団地内に計画されている東名高速道路のスマートインターチェンジ(スマートIC)の上り(東京方面)の出入り口から、下り(名古屋方面)の出入り口、青木川を越え、市道岡崎環状線の南までの西アクセス道路は、青木川北側で既に一部区間が開通。南側で東名高速と同じ高さの新たな道路を造る。用地取得は現在7割程度で、計画より1年遅れの27年度末の全線開通を見込んでいる。
同団地の造成工事完了後、進出企業が操業を始めるまでに早くても1年。大規模区画では2年以上の工場などの建設期間が必要という。また、スマートIC開通時期は未発表だが「進出企業が操業開始するまでの開通を目指す」となっている。
市は27年度末には北アクセス道路、市道岡崎環状線より北側の南アクセス道路、西アクセス道路の開通を見込んでおり、当初の計画より遅れても大きな影響はないとの見解を示している。