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東海愛知新聞

苦しいスタート

補助金削減の民間学童クラブ

新年度が始まり、新入社員や新入学生、転入者ら環境が変わった人たちは、期待に胸を膨らませている。その一方で、岡崎市の財政難により補助金が削減された市内の民間学童クラブ(放課後児童クラブ)は苦しいスタートを切った。1〜3月に補助金削減の撤回を求める署名活動を行った市内の3事業者に現在の状況を聞いた。 (竹内雅紀)

3月21日の市議会3月定例会本会議で、補助金減額などを盛り込んだ2025年度一般会計当初予算案が原案通り可決し、市からの補助金は24年度に比べて減ることが正式に決定した。

市内で民間学童クラブを運営する3事業者は最終的に2万2720人分の署名を集めた。また、議会に陳情を提出したが、陳情は議員が審査した上で意見は述べるが結論は出さないため、状況は変わらなかった。手厚い支援の部分に踏み込んだ市は「補助金が減ったとしても工夫次第でやっていけるはず」という姿勢を崩さない。

1万2000円の壁

事業者は運営が厳しくなる中での対処法として

  1. 児童の受け入れ人数を減らす
  2. 人件費抑制のため支援員の人数を減らす
  3. 保育料の値上げ

―の3つを挙げた。①はどの事業者も学童保育需要が高まる中で「非現実的」としている。分かりやすいのは③だが、大きな壁がある。児童1人当たりの月額保育料が1万2000円を上回ると、各施設の家賃補助が得られなくなる。保育料を1万2000円で設定している事業者も多く「1万2000円の壁」と表現。「これはさすがに超えられない」と胸の内を明かす。

②で支援員の数を減らすのではなく、職員のシフトの調整(配置の調整)でやり繰りする案が現実的とされているが、安全面やサービスの質の低下が懸念される。

市内で6施設を運営するNPO法人岡崎がくどうの会は、低学年(小学1〜3年生)の月額保育料は1万2000円。そこは据え置きだが、高学年(4〜6年生)割引やきょうだい割引、ひとり親割引などをなくし、上限いっぱいの1万2000円に設定した。そのほか職員のシフトを見直したり、送迎用の車2台のリース契約を解約したりしたが「削るのにも限界がある」と担当者。「人件費のカット(職員の給与カット)は触れてはいけない“聖域”だと思っている。1年かけて考えたい」と語る。

同じく市内で6施設を運営する株式会社学童クローバークラブも月額保育料は1万2000円のため「そこは動かせない」としている。送迎用車両を1台売却し、もう1台の売却も検討中という。「それでもマイナス分は埋まらない。人件費をいじるのは最終手段。スタッフの給料は下げられない」と担当者は頭を抱える。学童保育以外の事業を行う系列会社があり、系列会社での利益を学童保育事業の赤字補てんに充てる可能性も示唆する。「いろいろ工夫するが、正直お手上げ状態というのが今の気持ち」

市内で2施設を運営するNPO法人学童太陽クラブは、低学年も高学年も月額保育料は1万2000円に達していないが、値上げはせず据え置きで運営する。また、職員の配置を調整して何とか切り盛りしていく方針だ。ただし、児童数の減少や物価高騰などの影響によっては、年度途中での保育料値上げの可能性もあるとしている。

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