115年の歴史に幕
岡崎市額田郡模範造林組合が解散
旧額田郡域の森林の保全や育成のために岡崎市と幸田町が共同設置する「岡崎市額田郡模範造林組合」が本年度末で解散する。1910(明治43)年の発足から115年。林業が盛んだった時代の象徴が姿を消す。(犬塚誠)
組合は岡崎市長を管理者、幸田町長を副管理者とする「特別地方公共団体」。議会も持っており、市議会議員10人と町議会議員2人が議員を務める。管理する森林は同市額田地区に5カ所あり、広さは計約85ヘクタールに上る。事務所は市額田支所に置いている。
設置のきっかけは日露戦争記念の造林事業だった。公共団体の財産を増やしながら一般民有林の模範となる森林を造ろうと、当時の額田郡長が土地所有者と協定を結んだ。その頃は「木を売れば金になる」時代。戦後の高度経済成長も追い風となった。
しかし、近年は木材価格の低迷が続く一方で、林業作業員の労務単価が上昇。森林整備とその促進に関する費用として国から自治体に支払われる「森林環境譲与税」も特別地方公共団体という特性から運営財源に使えず、存在自体が時代にそぐわなくなっていた。
岡崎と幸田で協定
こうした状況から、両市町の議会は昨年の12月定例会で組合の解散を決定した。3月21日にはこれまでと同様に森林保全を協力して推進するための協定を締結。今後は組合で管理してきた森林を市が所有しつつ、森林環境譲与税を活用した整備などを継続する。
内田康宏市長は「持続可能な森林を造るためにも、森林整備における自治体間の連携は不可欠。地域の未来に向けた大きな一歩となることを期待」、成瀬敦町長は「110余年の歴史を踏まえた協定締結であり、身の引き締まる思い」とそれぞれ述べた。