三河路に春を告げる
岡崎 滝山寺で鬼祭り
岡崎市滝町の滝山寺で15日、県指定無形民俗文化財の「鬼祭り」が開かれた。
クライマックスの「火祭り」では半鐘が鳴り響く中、国重要文化財の本堂に若い衆が「わっしょい、わっしょい」と2.5メートルのたいまつを上下に振りながら登場。祖父、祖母、孫の鬼面を掛けた3人の「冠面者」と共に回廊を巡った。火の粉を上げながら燃え盛る炎に、観衆の中には「(建物が)燃えちゃってへんか」と不安げにつぶやく人も。鬼は災厄をはらうとされ、鏡餅などの縁起物を手に持って五穀豊穣や天下太平を祈願した。火祭りが終わると、境内は拍手に包まれた。
滝山寺の鬼祭りは源頼朝の祈願が由来とされる。「三河路に春を告げる天下の奇祭」と言われ、室町時代と明治時代に2度の中断を経て1888(明治21)年から現在まで続く。
国の文化審議会は今年1月24日、滝山寺の鬼祭りを国の重要無形民俗文化財に指定するよう文部科学大臣に答申した。