夏の羽化楽しみに
「かぶとの家」山の斜面に移転
バーベキューと和食の店「かしやま」(岡崎市樫山町)の経営者・本多敏子さん(81)がカブトムシの幼虫を飼育している「かぶとの家」が、店の東から山の斜面に移転した。6月下旬から7月にかけて羽化し、希望する子どもたちに配るという。
額田地区の自然に恵まれた同店付近では、毎年多くのカブトムシを見ることができる。店を訪れる家族連れが喜ぶ様子を見た本多さんは15年ほど前、夫の静男さん(故人)に頼んで店のすぐ東に木造の「かぶとの家」を設置。本多さんの呼び掛けに応じた知人らが農地にある腐葉土を運び入れ、大切に管理した。ほぼ毎年、夏にはカブトムシが羽化し、希望する家族に無料で配っている。
しかし露天にある施設では、梅雨時から夏にかけて直射日光で室内の気温が急上昇し、幼虫が弱ってしまう恐れがある。
そこで本多さんは移転を計画。店の近くにある山の斜面を所有者から借り、知人らの協力でほぼ1カ月かけて完成させた。「かぶとの家」は高さ約2.3メートル、幅約6.2メートル、奥行き約1.3メートル。
カブトムシはオスとメスのつがいでプレゼントしており、子どもたちから「次の年もカブトムシが生まれた」という知らせも入っている。
本多さんは「皆さんの協力で環境の良い場所に移転できた。感謝しています」と語り、「都市部の子どもたちが喜ぶ顔を見るのが楽しい。今年も季節になったら、たくさんのカブトムシが羽化する見込みなので楽しみにしていてください」と呼び掛けている。
問い合わせは、同店(82-3130)へ。(大津一夫)