厳しい財政 バランス苦慮
岡崎市新年度当初予算案 一般会計1536億円
岡崎市は14日、2025年度の当初予算案を発表した。一般会計は前年度当初比9.5%増の1536億9000万円で、3年連続で過去最大を更新した。着手済み大型事業の着実な推進に重きを置いた。(犬塚誠)
歳入では、柱となる市税が4.4%増の722億9777万円。市民税は国の施策である定額減税の影響がなくなったことで、9.9%の増加に転じた。個人は定額減税終了によるほか、納税義務者数とその給与収入の増加もあり9.4%増の278億5130万円。法人も企業収益などの増加を見込んで、13.6%増の36億621万円とした。
歳出は、行政運営に関わる総務費が35.0%増の153億7436万円。市シビックセンター施設整備事業費や国の定額減税補足給付金給付事業費などが増えた。土木費は19.3%増の250億6104万円。2026年に市内などで開催されるアジア・アジアパラ競技大会に向けた岡崎中央総合公園の改修費や、名鉄東岡崎駅周辺地区整備推進事業費などが増加した。
歳出に対する不足分は、市の“貯金”に当たる財政調整基金を取り崩すなどして補う。財調の取り崩し額は20億円減の35億円になる見通し。財調の本年度末の残高は90億8547万円。市債は、中総の整備費などが増えたことで39.1%増の89億2500万円となる。
市民サービスを提供するための経費を税収などで賄えているかを示す指標「プライマリーバランス」は10年ぶりに赤字に転落。扶助費などの義務的経費の増が市税収入の増を上回り、義務的経費以外に配分できる一般財源が減少しているという。ただし、市内中心部を範囲としたQURUWA戦略推進業務には5625万円増の1億3723万円を計上。同業務の予算額としては21年度以降の最高額を更新した。
特定の使途が決められている特別会計11会計は0.7%減の738億6799万円。病院や上下水道事業に関する企業会計3会計は0.4%減の655億8654万円。水道事業会計の収入は10月1日の水道料金の増額改定に伴い、2.0%増の82億8200円とし、4億3852万円の黒字を見込む。
内田康宏市長は「非常に厳しい財政状況ではあったが、バランスに苦慮しながら予算を編成してきた。さらなる岡崎市の発展に向けて、『岡崎再生』『夢ある新しい岡崎』の実現に取り組んでいく」と述べた。