どうする退職金
岡崎中根前市長昨年11月支給も対処「未定」
岡崎市の中根康浩前市長(62)が昨年11月に支給された1期4年分の退職金の対処について、現時点で「未定」としていることが分かった。在任中は受け取らない意向を示していたが、支給しないとする特例案が市議会で否決され、受け取ることになっていた。22日に本紙の取材に答えた。 (犬塚誠)
在任中は受け取らない意向を示す
市は昨年11月14日、中根氏に1期4年分の退職金2678万4000円を支給した。所得・住民税などを控除した手取り額は1683万5271円。
中根氏は市長選挙(昨年10月6日)前の同年8月、「選挙で選ばれる市長職に退職金はなじまない」として、1期4年分の退職金を受け取らない意向を表明。自身の退職金を支給しない特例を定めた条例案を市議会9月定例会に提出したが、否決された。反対派の市議からは「退職後に寄付すれば良い」という声が出ていた。
寄付には制約も
ただ、中根氏が市に寄付する場合は、公職選挙法上の制約を受ける可能性がある。市選挙管理委員会によると、今後の市長・市議選への不出馬を明言した上での寄付は問題ないが、出馬表明後の寄付は違法。出馬の態度を明らかにしないまま寄付し、その後に出馬表明をした場合は司法の判断を仰ぐ必要があるという。
中根氏は本紙の取材に「(退職金をどうするかは)未定」と述べ、今後の市長選については「『100%出る』とも『100%出ない』とも断言できない」とした上で、「フリーな立場で市政について市民と語り合い、僕が必要とされているかをしっかりと見極めたい」と含みを持たせた。