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東海愛知新聞

ゆかりの2演目で魅了

岡崎歌舞伎 中車さんらのトークも

岡崎市など主催の「岡崎歌舞伎公演」が14、15の両日、同市民会館で開かれた。岡崎ゆかりの2演目とトークショーで、全3公演いずれも満員の観客を魅了した。 (酒井希実)

岡崎の化け猫伝説を題材とした「旅噂岡崎猫(たびのうわさおかざきのねこ)」は同市羽栗町の無量寺が舞台になっている。老婆が次第に本性を現して猫の妖怪になっていく姿を演じた市川青虎さん(41)は、おどろおどろしい声や大道具を生かしたアクロバティックな動きで観客を圧倒した。

紅葉錦絵葵正夢(はなのにしきえあおいのまさゆめ)」は、征夷大将軍になった徳川家康が故郷の岡崎城で紅葉狩りをするうちに眠りに就き、夢に最初の妻・瀬名姫や長男の信康、敵方の淀殿が現れ、多くの犠牲の上に立身したことを再認識して平和な世への決意を新たにする―という物語。家康役の市川中車=香川照之=さん(58)らがおはやしに合わせて舞い、華やかな世界感を見せた。家康が「八丁味噌」を名付けて名物とした逸話も登場し、市民らを沸かせた。

地元に根付く

上演前のトークショーには、中車さんと紅葉錦絵葵正夢の脚本・振り付けを手掛けた藤間勘十郎さんが登壇。藤間さんは、「考えた作品が今日初めて見てもらえる記念すべき回。末永くこの地で親しんでもらいたい。自分が子どもの頃に見た歌舞伎が心に残っており、創作の原点になっている。観客に少しでも残るものがあればうれしい」、中車さんは「歌舞伎という一見古い物の中に、若い感性を持った人たちが新しいもの、ときめくものを見つけてほしい。肩の力を抜いて楽しんでもらいたい。この演目が岡崎に根付き、我々がまた岡崎に帰ってくることができるような2日間にしたい」と語った。

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