岡崎市議会9月定例会
退職金カット案を否決
高校生通院費無償化も
岡崎市議会9月定例会は13日、本会議を再開。中根康浩市長の今期分の退職金を支給しないこととする特例を定めた条例案と、高校生世代までの通院費を無償化するための条例案の2議案が、賛成少数により否決された。 (犬塚誠)
討論では2議案に対する反対意見が続出。退職金議案については「4年間の重責を果たしているため、受け取るべき」「受け取らないのであれば、退職後に寄付すべき」といった声が上がった。
退職金のカットは2020年の市長選挙で中根市長が掲げた公約の一つ。同年11月臨時会では「当選したばかりで時期尚早」として否決された。今回は1期4年の任期が終わることに伴って再提出したが、議会側の理解が得られなかった。
高校生の通院費無償化議案については「財源が確保されていないことによる継続性への不安」などを理由に否決された。無償化すると年間約3億8000万円の予算増額が必要となる見通し。「まずは財源の確保を」という意見が多かった。
2議案への賛成は4人で、4会派(自民清風会、民政クラブ、チャレンジ岡崎、公明党)はいずれも反対。ただし、市議会として医療費助成自体は前向きな考えであり、財源を精査した上で来年の市議会3月定例会で再度提出するよう求める議員提出議案を賛成多数で可決した。なお、同議案に法的拘束力はない。
中根市長は本会議終了後に報道陣の取材に応じ、2議案が否決されたことについて「残念」とした上で、「次の市長選でも公約として訴えていきたい」と述べた。また、受け取ることになる退職金の対処については「未定」としつつ、法律に抵触しない方法で何らかの寄付に充てる可能性も示唆した。
この日は前年度一般・特別会計決算認定案など計41議案を可決して閉会した。
議会事務局によると、議案の否決は20年11月臨時会(5議案中4議案が否決)以来。