エフエムEGAO

番組へのおたより・リクエストはこちら 763@fm-egao.jp その他 局へのお問い合わせはこちら info@fm-egao.jp

東海愛知新聞

惨事ストレスを学ぶ

岡崎市消防本部研修で職員が聴講

岡崎市消防本部で10日、災害救助者らに現れる「惨事ストレス」に関する職員研修が開かれた。名城大学人間学部の畑中美穂教授が惨事ストレスの概要や予防・対処法を説明。職員約100人が聴講した。 (犬塚誠)

惨事ストレスは、多くの死傷者や甚大な被害を目撃することで現れる、身体・精神的な不調。大規模災害への出動などが引き金となる。災害救助者は、症状はあるものの病気としては診断されない「急性ストレス反応」に陥ることが多いとされる。

畑中教授は惨事ストレスを把握する方法として、災害現場活動終了後1週間以内のチェックリスト実施を提案。「組織が職員を守る」という風土をつくることが、職員のストレス反応低減につながると解説した。自分や同僚の変化に気を配るようにも呼び掛けた。

日常的にできるストレス解消法も紹介された。運動や映画鑑賞による感情の発散、ぬるめの風呂への入浴などを挙げ、「精神的な不調は誰でも陥る可能性があるもの。セルフケアはもちろん、人に助けを求めることも重要な自己管理能力」と締めくくった。

同本部によると、本年度の消防職員意見発表会では、惨事ストレスについて発表した宇野夏生消防士が東海大会まで進出。1月には能登半島地震の被災地に緊急消防援助隊を派遣するなど、惨事ストレスに対する関心が高まっていたことから企画した。

担当者は「ストレスチェックなどはやれていないのが現状。若手職員からも意見が上がってきているので、本部として組織的に取り組みたい」と述べた。

ページ最初へ