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東海愛知新聞

被災地の実情聞く

りぶら 能登半島地震シンポジウム

能登半島地震の被災地で活動する福祉関係者らが現地の実情を伝えるシンポジウムが6日、岡崎市図書館交流プラザ(りぶら)ホールで開かれた。登壇者4人が、それぞれ1月1日の発災直後からの活動やそこでの気付きについて発表。聴講した岡崎市民と共に、平時にできることへの考えを深めた。(酒井希実)

石川県輪島市福祉課の羽村龍さんは、被災地外への情報発信や、高齢者や障害者といった災害弱者にも分かりやすく情報を届ける「情報のバリアフリー化」の効果を振り返った。看護師やケアマネジャーの資格を持つ石川和子さんは、医療従事者を中心とした3団体で連携して福祉避難所を運営。感染症クラスター(感染者集団)や病気・けが人の対応に当たり、医師や看護師が常駐する福祉避難所の必要性を挙げた。また、「平時から人とのつながりを深め、共助できる地域づくりが大事」とした。

同県能登町の介護施設で働く上野正香さんは、地域避難民を受け入れて協力して活動したエピソードや、精神的に追い込まれる人々の様子を伝えた。長期にわたる停電や断水の経験から、発電機の確保と川や池などの水源の把握、災害対応訓練の重要性を訴えた。

被災地支援団体の辛嶋友香里さんは、1月5日から現地コーディネーターとして常駐した。避難所での食事は炭水化物が過多になり、健康を維持できる食事の導入の難しさを挙げて「生活再建のために、体はもちろん頭も心も健康でないと」と指摘した。また、少子高齢化や地域コミュニティーの低下などにも触れ、「支え合う力が脆弱になっているのが全国的な課題」とした。

登壇者は発表後、トークセッションで共通する課題や岡崎でできる対策などについて話し合った。

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