新事実を分かりやすく
岡崎公園内 発掘調査の成果展
岡崎城跡で近年行われた発掘調査の成果が、岡崎公園内の三河武士のやかた家康館前の「二の丸のやかた」で紹介されている。パネル13枚などを展示。往時の城の姿のほか、調査方法などを知ることができる。 (犬塚誠)
2019〜23年度の調査で判明した新事実を中心に構成している。目玉は江戸時代前期に城の西側に造られた、坂谷門に関するパネル。大小2つの門からなる構造の全体像や規模、礎石の個数などを、写真を交えつつ示している。
学術調査につきものの専門用語は、一覧にしてパネルで解説。予備知識が少なくても、内容を把握できるようになっている。城跡で見つかった、歴代藩主の家紋が入った瓦や陶片なども展示している。
調査に使う道具類にもスポットを当てた。出土品に当てて形を測る「真弧」などが並ぶ中、異彩を放つのは「お玉」と「お好み焼き用のへら」。岡崎市教育委員会社会教育課岡崎城跡係によると、お玉は丸く土を掘る際に、へらは直線に沿って掘削する際に重宝するのだという。
展示に際しては、中学生にも分かるような平易な内容にすることを心掛けた。専門的になりがちな調査結果を広く知ってもらおうと企画した。夏休みに向けては、自由研究の題材としてもらうことにも期待を寄せる。
同係は「今までは発掘調査をしても伝える機会がなく、寂しい思いをした。今回は成果のほか、調査方法などの“裏側”の世界まで大々的に紹介しているので、ぜひ見てほしい」としている。
午前9時〜午後4時。12月29〜31日を除いて年中無休。なお、無料動画投稿サイト「YouTube」の市公式チャンネルでは、今回の調査結果をまとめた動画も公開している。再生時間は7分57秒。