「好奇心持ち、挑戦」
幸田でPS(PlayStation)生みの親が講演
久夛良木健さん
世界トップクラスの技術者や経営者を幸田町に招く講演会「第23回幸田プレステージレクチャーズ」(株式会社東海愛知新聞社など後援)が16日、同町民会館で開かれた。
町村合併70周年記念事業の一つとして開催された今回は、家庭用ゲーム機「PlayStation」(PS)の“生みの親”と呼ばれる久夛良木健さん(73)が「イノベーションの芽を育む―企業からの挑戦」をテーマに、企業からの革新の起こし方などについて講演。約300人が耳を傾けた。
久夛良木さんは1975(昭和50)年にソニー株式会社に入社し、「世界にない新しい物を自分の手で作り出し、イノベーションを起こしたい」という強い思いで何事にも挑戦。デジタル技術活用の最先端に携わる中で、「今まで目にしたことがない新しいエンターテインメント」の実現を目指してPSの開発を主導した。現在はAI(人工知能)開発のアセントロボティクス株式会社(東京都渋谷区)代表取締役兼CEO(最高経営責任者)を務める。また、近畿大学(大阪府)の情報学部長として「0から1をつくる」教育改革に取り組んでいる。
「未来はやって来るのではなく、自分たちでつくる」と力説。「最小限の人数で最大の効果を発揮する」チームづくり、中長期的なロードマップといった、革新を起こす企業の戦略を説いた。
「ライバルは未来」という座右の銘も紹介した上で「好奇心が未来を引き寄せる。好奇心を持ち続け、チャレンジしていくのが大事」と強調した。 (酒井希実)