全国初の外国人バス運転士誕生へ
岡崎 公民連携で実現目指す
岡崎市と名鉄バス株式会社(名古屋市中村区、清水良一代表取締役社長)は3日、岡崎市内の路線で乗務する外国人運転士の誕生に向けた包括連携協定を結んだ。行政、事業者、日本語学校が手を結び、外国人運転士の雇用と定住を図る。同様の取り組みは全国で初めて。 (犬塚誠)
市、名鉄、エガオ
名鉄バスは、岡崎市内で日本語学校を運営する株式会社エガオグループ(同市羽根東町、服部良男代表取締役)と協力。エガオグループからあっせんを受けて、外国人を採用する。エガオグループは、バスの運転士に必要なコミュニケーション能力を養うための独自のプログラムを作成。日本語教育や就労に向けたアドバイスを行い、バス乗務に必要な免許の取得を後押しする。名鉄バスとエガオグループは、同市に外国人運転士の教育・確保状況の報告なども行う。
岡崎市は住居面を中心に、外国人運転士の生活を支える。住まいの確保やその手続きに関する手助けをする。外国人運転士の家族に対するサポートにも取り組む。
岡崎市などによると、公共交通の確保と維持を見据えた人材確保が目的。同市内を走る名鉄バス路線は44路線。いずれも廃止に至るほどではないが、人手不足は“待ったなし”の状況という。今回の協定は、地域交通の存続を図りたい岡崎市と、人手不足解消に向けて外国人材の登用を進めたい名鉄バスの意向がマッチしたことから実現した。
中根康浩市長は「市の公共交通の確保・維持に向けて大きな力になる」、清水社長は「三位一体となって外国人運転士を誕生させたい」、服部代表取締役は「32年間にわたる日本語学校運営のノウハウを生かす」とそれぞれ述べた。