ブドウの栽培から醸造までを一貫して岡崎市内で行った純岡崎産ワインが9日、西阿知和町のワイナリー「ドメーヌ・イトウ」で発売される。岡崎で育ったブドウならではの芳醇さをそのまま凝縮。風味豊かな味わいに仕上げた。 (犬塚誠)

巨峰などを原料とした「HANAMUSUBI」と、シャインマスカット単体で醸した「KAGAYAKI」の2ブランドを展開する。HANAMUSUBIは赤(2200円)、白(同)、白を原料とした微発泡ペティアン(3300円)、デラウェアワイン(2750円)の4種類。赤はドライですっきりとした口当たりにした。白はモモやカリンを連想させる香りや、苦みが特徴。日本酒のような風合いで和食にも合う。デラウェアは甘さを感じつつもデラウェアそのものの雰囲気を楽しめるようにした。

KAGAYAKIはシャインマスカットワイン(3850円)1種類。かんきつに近い味わいは、酢豚などの中華料理にもマッチするという。

昨年1月、国は市を「ワイン特区」に認定。市内のブドウ生産者でもワイン製造に挑戦しやすくなった。東阿知和町の伊藤農園を母体とするドメーヌ・イトウは市内初のワイナリーとして、昨年8月から純岡崎産ワインの製造を始めた。出荷は今回が初めて。古くからすみつく酵母がいないことで発酵に対する不安はあったが、温度調節などに気を配り、完成にこぎつけた。

伊藤隆園主(48)は「最終的には味もまとまり、ほっとしている。うちのワインは食卓に添えられるような日々のワイン。食事が楽しくなるようなワインとして認知してもらえれば」としている。

いずれも750ミリリットル入り。各商品限定300〜1200本ほど。ドメーヌ・イトウやそのホームページで販売する。問い合わせは、ドメーヌ・イトウ(26―3597)へ。