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東海愛知新聞

第3の居場所を提供

岡崎「MAYU」 オープン

個人が持ち寄った本を借りたり購入できたりする「シェア型私設図書館」と、さまざまな会合などに使えるワークショップスペースの機能を併せ持つ施設「MAYU」が3日、岡崎市魚町にオープンした。カイコの“繭”から糸を紡いで織りなすように、人との出会いが広がる場を提供する。 (酒井希実)

私設図書館とWSスペース併設

施設内には本棚と机、椅子が並び、ドリンクを注文できるカフェスタンドがある。

私設図書館は棚の1スペース(箱)を借りて本を並べ、オーナーとして運営する「一箱本棚オーナー制度」を導入。静岡県焼津市の民間図書館で始まり、同制度を使った図書館は3日時点で全国に66カ所(うち愛知県内には5カ所)あり、岡崎市内では初めて。オープン時で既に22箱に全国のオーナーがお気に入りの本を配架している。約30センチ四方の箱にそれぞれ好きな作家や分野の本のほか、自作の本、自己紹介や本の紹介をするカードなどを置き、オーナーが貸し出しか販売かを決めている。空きスペースはまだ十分ある。

顧客として利用するには施設利用料として月額500円を支払い、本を借りる時はスタッフに声を掛ける。購入の場合はスマートフォンでQRコードを読み込んで決済するなど“無人販売”の形式を採用。閲覧エリアの椅子で自由に読めるが、机を使う場合はドリンクを注文する必要がある。また、1箱当たり1カ月3300円で借りることができ、オーナーになれる。

館長の北川智美さん(50)は本が好きな主婦だった。新型コロナウイルス禍でオンラインでの交流の場が増え、さまざまな人の話を聞く中で自身の生き方について考えた。北川さんにとってのオンライン上の交流の場のような、個人の役割が固定している職場や家庭とは別の「サードプレイス(第3の居場所)を作りたい」との思いを実現させた。「本を通した人とのつながりで世界が広がり、自分の創造性や可能性に気付くきっかけになれば。本が好きな人はもちろん、日常からはみ出したい人に来てほしい」と思いを込める。

私設図書館は土〜火曜午前11時30分〜午後6時。セミナーや読書会、個展などを開くことができるワークショップスペース(価格は要相談)は水〜金曜の午前9時〜午後6時30分。

利用方法などの詳細や問い合わせは、インスタグラムで。

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