縄文期の林の跡?
岡崎の郷土史家 中根洋治さんが
青木・矢作川合流点で確認
岡崎市立北中学校北側の青木・矢作川の合流点でこのほど、約3000年前の縄文時代の林の跡(埋没林)とみられる場所が確認された。同市の郷土史家・中根洋治さん(80)の調査で分かった。古代の矢作川流域を知る上で貴重な史料となりそうだ。(犬塚誠)
中根さんによると、埋没林は青木川の最下流部、矢作川に注ぎ込む部分の手前50メートルほどの範囲に残存。クヌギやナラと思われる木の、株や根の部分が17カ所で露出している。水中には倒木らしき黒い塊や、粘土のような黒い土も見られるという。11日、中根さんが川に入って確認した。
弥生時代以前の矢作川は、現在よりも西の豊田市側を流れていたことが先行研究で分かっている。葵大橋の西端から家下川の河岸段丘を沿い、大門公園(大門水郷公園)や国道248号の辺りを通っていたと考えられている。今回の埋没林確認は先行研究の結果を裏付けるもので、縄文時代の合流点一帯には林があり、矢作川は流れていなかったことになるという。
中根さんはこれまで、岡崎・豊田市内を流れる矢作川の埋没林として
- 赤渋町
- 東名高速道路橋りょう付近の豊田市側
- 乙川と矢作川の合流点
- 天神橋下流
―の4カ所を確認。青木・矢作川合流点は5カ所目となる。なお、①②については既に消失している。
中根さんは「古代の景色の一端が見られるというのは感慨深い。山に生えるナラやクヌギが河床から出てきたというのは不思議な現象。今後の調査が待たれる」としている。
問い合わせは、中根さんへ。