絵本を通して啓発
岡崎拠点の団体が保健文化賞
岡崎市を拠点に絵本による食物アレルギーの啓発に取り組む「食アレスマイルネット」がこのほど、保健衛生の向上に寄与する団体や個人をたたえる「保健文化賞」(第一生命保険株式会社主催)に輝いた。75回目の今回は、全国の10団体と3人が受賞。栗田洋子代表(60)=同市=は「活動していて壁に当たることもあったが、長年の苦労が報われた」と笑顔を見せる。 (犬塚誠)
食アレスマイルネット
同団体は、食物アレルギーが題材の絵本を自主制作。イベントなどで読み聞かせたり、47都道府県の図書館などに配架してもらうための働きかけをしたりしている。アレルギーの専門学会では医療関係者と交流。日々変化する学説の把握にも努める。現在は7人で活動する。
設立は2007(平成19)年。栗田代表は次女さえりさん(27)のピーナツアレルギー発覚をきっかけに、普及活動を始めた。食物アレルギーは原因物質の摂取後30分以内に適切な処置をすれば助かるとされる。しかし、症状などを説明するのは至難の業。分かりやすい絵本での啓発に乗り出した。これまでにピーナツアレルギーを題材にした一冊や、食物アレルギー児の気持ちを描いた『ともくんのほいくえん』を制作している。
栗田代表は「たくさんの人たちに知ってもらうことが重要。少しでも早い処置につなげてほしい」と語る。
なお、栗田代表は25日、『ともくんのほいくえん』58冊(計9万5700円相当)を市内の保育・こども園に寄贈した。内容は、制作に協力した公益財団法人ニッポンハム食の未来財団のホームページでも見られる。