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東海愛知新聞

終活を当たり前に

岡崎のWill 死との向き合い方伝える

「終活」の言葉から思い浮かべる行動は―。株式会社エイム(岡崎市大樹寺3)の終活サポートに特化した部門「Will ウィル」を立ち上げた鈴木志信代表取締役(51)は「終活は死ぬための準備ではなく、残された時間の生き方を考えること」と定義し、終活の大切さを訴える。 (酒井希実)

社会保険労務士として長年年金問題などに携わってきた鈴木さん。「終活のお手伝いをしたい」と2020年に行政書士登録をしてWillを立ち上げた。死後事務の手伝いをしたり遺族の相続の相談に乗ったりする中で、死者の意思が分からず「もっと話していれば」と後悔する遺族の声に耳を傾ける。

高齢者や闘病中の人に接する家族らにとって「死の話はご法度」という認識が一般的。しかし、残される家族には死者の意思が最も重要になる。例えば、墓のあり方が多様化する中で「遺骨を海にいてほしい」という人がいる。家族のために財産を残しておきたい人がいる一方、「もっと自分のために使って楽しんでほしかった」と言う遺族もいる。死を意識した人とその家族共に、話したい気持ちはあっても話しづらいのが現状だという。

鈴木さんは「死を意識していない元気なうちに話し合うことが当たり前になれば。何歳で考えても早くない」と終活の重要性を強調する。遺言など事務的な手続きのほか、残りの人生で自身の希望をかなえて残される家族への願いを伝えることが、死の間際に「思い残すことはない」と思えることにつながる。

終活は「死と向き合うこと」から始まる。日常的な健康維持なども含め、死という“ゴール”を意識した行動は広い意味で「終活」だと言える。死を考えることは「生」を考えることでもある。

終活の一つに「エンディングノート」を書くことがある。好きなものを挙げたり、幼少期からの出来事、家族との思い出、人生の登場人物などを思い出したりして、自分と向き合うと同時に感謝を伝えたい人を書き記す。鈴木さんが特に「面白い」と話すのが、日本と世界の地図が描かれたページ。過去に訪れた場所や今後行きたい場所に色を塗ることで一目瞭然に。「ノートを書いて気付くことがあり、やりたいことが見つかれば気持ち豊かに生きていける」

Willでは終活の“窓口”として相談を受ける。「元気なうちに、家族と一緒に相談に来てもらえたらいいけれど、家族の話し合いだ けで完結すれば、それが一番いい」と鈴木さん。「死に関する話がもっと気軽に、日常会話と同じ感覚でできれば。そのためにも終活が当たり前に感じられるように社会に浸透させていきたい」と思いを込める。

問い合わせは、Will(0120―093239)へ。

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