過ち繰り返さないで
岡崎で空襲犠牲者悼む市民慰霊祭
1945(昭和20)年7月20日未明に岡崎市内を襲った岡崎空襲の犠牲者を悼む市民慰霊祭が19日、同市本町通1のシビコ西広場で開かれた。市民ら30人以上が参列し、平和への思いを新たにした。岡崎空襲の慰霊碑をまもる会主催。 (犬塚誠)
広場内の慰霊碑前では、参列者による黙とうや献花が行われた。語り部による体験発表では、空襲で父親を亡くした安藤恒海さん(86)が空襲での体験を振り返った。
安藤さんの父・恒夫さんは当時、市立岡崎小学校で教員として勤務。空襲の知らせを受けて明大寺町の自宅から同校へ自転車で向かっている途中に、現在の市シビックセンター付近で焼夷弾の直撃を受けて死亡した。恒海さんは畑の中で草を握りながら息絶えた父親の様子などを紹介した上で、慰霊碑に向かって感謝を述べた。
自身も空襲を経験した岡田亮一会長(86)は「ロシアによるウクライナ侵攻や軍備に力を入れようとする日本政府のありさまは、体験してきた昭和の時代とよく似ており、本当に心配している。戦争という過ちは二度と繰り返してはならない」と語気を強めた。
岡崎空襲では米軍の爆撃機B29の大群が市内上空に襲来。一夜にして市街地は焦土と化し、279人の人命が失奪われた。慰霊祭は犠牲者をしのぶとともに、世界平和の実現を目指して開かれており、今回で47回目となる。同会によると、現在の会員は40人ほど。空襲当時は子どもだった会員も70〜80代になるなど、高齢化が進んでいるという。