市民目線での対応
幹部職員が防災セミナー受講
岡崎市の幹部職員が災害発生時における対応の在り方を考える「防災トップセミナー」が11日、市役所で開かれた。特別職と部長級の27人が受講。ワークショップなどを通じて、市民目線に立った判断の重要性を確認した。 (犬誠)
具体的な目標を定めて復旧を進める「目標管理型災害対応」を学ぶワークショップでは、「市内で震度7を観測する地震が発生し、多数の死傷者が発生。支援物資の不足や避難所での混乱が生じている」といった想定で対応を検討した。特別職1人を含む5〜6人のグループに分かれ、被災者が求めている事項を議論。「避難者の健康状態を把握する保健師がいない」「瓦が落ちて、雨への対応ができない」などの意見を付せんに記入して類型ごとに集約した上で、「1週間以内に被災者が医療的な支援を受けられるようにする」「全市民が24時間以内に避難所で水を受け取れるようにする」といった目標をグループごとに発表した。
講師を務めた名古屋大学減災連携研究センター共創社会連携領域の平山修久准教授は、目標設定に当たっての留意点として
- 具体的
- 結果の測定が可能
- 現実的
- 締め切りがある
―などを挙げた。元熊本県益城町危機管理監で、兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科の今石佳太研究員による講演「災害時における災害対策本部運営の課題」もあった。
安藤治樹保健部長は「実践に近いシミュレーションで、具体的な部分を想定して目標を定めて対応する重要性を認識できた。非常に有意義な研修だった」と述べた。
市防災課によると、市では2024年度に向けて災害対策本部体制の見直しを検討。目標管理型災害対応の仕組みを取り入れた体制構築を目指すため、今回初めて実施した。