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東海愛知新聞

記録的水害 東海豪雨に酷似

気象防災アドバイザーに聞く

6月2日に岡崎市内などを襲った大雨から間もなく1カ月。さまざまな被害をもたらした今回の大雨を専門家はどのように見ているのか。4月に市気象防災アドバイザーに任命され、豊田、刈谷両市でもアドバイザーを務める早川和広さん(67)に、当時の気象状況や自治体への助言内容などについて話を聞いた。 (犬塚誠)

早川さんによると、今回の大雨の主な原因は

  1. 沖縄近くの動きの遅い台風
  2. 東海地方の北側の前線
  3. 張り出した太平洋高気圧

―の3条件が重なったこと。2000(平成12)年9月の東海豪雨の際と酷似した気圧配置となっていたことにより、非常に激しい雨となった。

台風2号は当初、沖縄付近まで北上すれば勢いが収まるとみられていた。東海地方の南海上を進んで八丈島(東京都)と父島(同)の中間辺りを通過するとされていたため、東海地方への直接の影響はないと考えられていた。

しかし、台風2号の速度は沖縄付近に近づいても上がらず、梅雨前線は北上。太平洋沿岸には台風と太平洋高気圧の縁を回る湿った空気が入り込み、大雨をもたらす可能性が高まった。

早川さんは5月31日、岡崎市に6月3日までの前線の動きや台風の進路などをメールで報告した。台風の動きが速まったことを受け、1日昼ごろには「1時間に30ミリ以上の雨が2日昼前から夜の初めごろまで続く」と連絡。2日の最大1時間雨量を50ミリ、24時間雨量を200ミリと予想した。

大雨当日の2日は午前8時ごろ、24時間雨量の予想を50ミリ増やして250ミリに引き上げた。昼すぎ〜夕方には1時間に50〜60ミリの非常に激しい雨が降ることを伝えるとともに、「東海豪雨を思い出した対応を」との強い表現で市に警戒を呼び掛けた。

岡崎市では早川さんからの情報に基づき、避難指示や高齢者への避難の呼び掛けを実施。3日以降も雨が断続的に降り続く中で、早川さんから随時アドバイスを受けて対応を決定したという。中根康浩市長は22日の記者会見で「かなり的確かつ有効な助言をもらったと思っている」と一定の効果があったという認識を示した。その上で、「(警報が)発令されていなかったり、基準に達していなかったりする状況でも、『間違いなくそう(被害が出ることに)なるだろう』という段階での動き方を検証していかねばならない」とも述べた。

早川さんは「東海豪雨が発生して23年がたち、『そろそろ起こるだろう』と考えていた。気象庁では5日先までの警報発表の可能性を示す『早期注意情報』を出しているので、天気図とも併せて注意してほしい」としている。

豊田市では5月31日に早川さんから連絡を受け、1日の時点で翌2日の市立小中学校全校の臨時休校を決めるなどの措置を取った。

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