エフエムEGAO

番組へのおたより・リクエストはこちら 763@fm-egao.jp その他 局へのお問い合わせはこちら info@fm-egao.jp

東海愛知新聞

環境に優しい移動手段

岡崎・北斗台団地の住民ら
低速電動車の体験会

時速20キロ未満での公道走行が可能な電動車を活用した、環境に優しい移動手段「グリーンスローモビリティ(グリスロ)」。地域ぐるみで導入に向けた取り組みを進める岡崎市細川町の北斗台団地で4日、電動車の試乗体験会が開かれ、住民ら約110人が参加した。 (犬誠)

時速20キロ未満「グリスロ」

この日用意されたのは、低速電動車の製造、販売を行う株式会社シンクトゥギャザー(群馬県桐生市)のミニバス「eCOM-8」。サイズは長さ約4.2メートル、幅2メートル、高さ約2.4メートルで、生活道路でも運行しやすく、運転手を含めて10人が乗車できる。8つの車輪それぞれにモーターが組み込まれているため床は低く、高齢者や子どもらでも乗り降りしやすくなっている。51のリチウムポリマー電池を搭載し、家庭用コンセントからの充電も可能としている。側面などの窓ガラスはなく、徒歩と同じように風を感じながら景色を眺められる点も特徴。

乗車と操縦も

体験会では同社の担当者が車体の概要を説明した後、住民らが試乗した。5分程度で町内を巡行してから乗降場所の北斗台会館で感想を報告し合い、利点や疑問点などをホワイトボードに書き出した。社員付き添いの下での操作体験もあり、数人がハンドルを握った。

梶山悦子さん(85)は「乗り心地は良かった。自動車には乗れず、近くの薬局に行くにも1時間かかっていた。『こういうことができるんだね』という気持ち」と目を潤ませ、運転を体験した大西敏明さん(71)は「踏み込みへのレスポンスが遅いためどうしても急加速になりがちだが、慣れの問題だと思う」と述べた。

北斗台の佐藤又二総代(68)らによると、北斗台団地では75歳以上の住民が増加しており、岡崎市内の他地域と比べて急速に高齢化が進行。生活移動の在り方が課題となっている。今回の体験会はグリスロへの理解を深めてもらうことを目的に企画。11月には3週間〜1カ月にわたる実証実験を実施し、利用目的や人数などを検証するほか、住民がボランティア運転手として運行を担う予定という。

ページ最初へ