岡崎「市民展」を刷新
8月公募展「アートのるつぼ」
岡崎市美術館で8月19~27日、同市主催の公募展「おかざきアートのるつぼ2023」が初めて開催される。「市民展」の愛称で知られる「岡崎市民美術展」の出品規定や運営方式などを見直し、さまざまな世代、ジャンルのアーティストがより気軽に参加できるよう刷新した。同市は7月20日まで出品作品を募集している。 (横田沙貴)
市民展は1973(昭和48)年から毎年実施。昨年50回目を迎えたのを機に内容を一新した。市文化振興課によると、出品者の高年齢化や固定化が進む傾向があったことや、洋画、日本画、書道、写真、彫刻・工芸、デザインの6部門に細分化されていたことにより「どの部門に出品すればいいか分からない」と応募を辞退する作家もいたという。
参加資格はこれまでの岡崎市内在住・在勤・在学者に加え、同市に縁があれば参加できるようになった。グループ制作も可能。応募部門は「平面」「立体」「映像」の3部門に大別され、出品しやすくした。映像部門は、スマートフォンなどを使って気軽に作品を制作できるようになった社会情勢の変化も考慮して加えられた。
専門家による作品審査の代わりに来場者による投票で決める「オーディエンス賞」にした。結果は同展ホームページなどで発表する。
初開催となる今回のテーマは「自由」。文字通り「自由」をテーマにしたものや、好きな作品を自由に創作したものなど、どのような解釈でもいいという。
各部門の出品規格は同展ホームページに掲載。展覧会名の「るつぼ」は複数の金属や物質などを加熱して混合させるための器具のことで、「リニューアルによってさまざまな作品が出品され、化学反応を起こすように新たな作品が生まれるきっかけになってほしい」という願いが込められている。同課は「参加を控えていた作家の発表の場としてほしい。また、来場をきっかけに創作を始めるなど、芸術に親しむきっかけになれば」と期待している。
出品は無料。ただし額装や軸装、台座の準備、モニターの調達など、展示に必要な加工や準備は各自で行う。自身が制作したもので、ほかの公募展やコンクールで入賞・入選していない作品に限る。同一部門で1人(グループ)1点まで。
申し込みは、出品申込書に記入し、メール(info-geifuku@aichi-geifuku.com)か郵送(〒462-0841、名古屋市北区黒川本通2の40、あいち芸術福祉株式会社)、または岡崎市福祉会館5階の同課に持参する。問い合わせは、同課(23-6615)へ。