11年ぶりに前年比増
岡崎警察署管内 昨年の刑法犯認知件数
岡崎警察署はこのほど、管内(岡崎市、幸田町)での昨年1年間の犯罪発生状況を公表した。全体を示す刑法犯認知件数は2100件で前年比21.1%増となった。同件数の対前年比増は2011(平成23)年以来11年ぶり。(犬塚誠)
同署生活安全課によると、刑法犯の59.2%を占める窃盗犯は1243件(前年比24.5%増)。そのうち侵入盗は158件(同23.4%増)で、掃き出し窓を割られて現金や貴金属などを盗まれる空き巣のほか、窃盗グループによる出店荒らしなどが相次いだ。非侵入盗は、1085件(24.7%増)。自転車盗ではJR岡崎や愛知環状鉄道(愛環)北岡崎、愛環北野桝塚の各駅での被害が目立っている。駅や商業施設以外に、自宅に止めていた車両が盗まれるケースも確認されている。万引きも増えており、特に18歳未満の少年による犯行が多いという。同課は「刑法犯を減らす“鍵”となるのが自転車盗と万引きへの対策」と説明し、自転車のツーロックや屋内保管などを呼び掛けるほか、学校などへの啓発にも力を入れる。
特殊詐欺被害は29件(17%減)で、被害額は5696万円(3.1%減)と減少。しかし、オレオレ詐欺については被害が相次いでおり、引き続き息子や孫、警察、銀行協会などをかたった電話には注意が必要だ。
学区別に見ると、刑法犯全体では
- 羽根(171件)
- 広幡(114件)
- 六名(113件)
―の順に多発している。いずれも駅や幹線道路が近くにある反面、人目に付かない場所も多く見られる地域。同課は「人が住みやすい地域は悪い人間が入ってきやすい地域でもある」と注意喚起する。
今回、11年ぶりに増加に転じた管内の犯罪発生件数。原因について同課は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う行動制限が緩和され、人流増加が背景にあるとみている。その上で「犯罪の起きにくい環境をつくることが重要。身近にできる対策から取り組んでほしい」と呼び掛けている。
11年の刑法犯認知件数は5487件。