滝山寺鬼まつり 3年ぶりの一般観覧
冠面者決まる
「天下の奇祭」として知られる県指定無形民俗文化財「滝山寺鬼まつり」(滝山寺・鬼まつり保存会主催)が11日、岡崎市滝町の滝山寺で行われる。新型コロナウイルス禍で2021、22年は関係者のみで実施していたが、3年ぶりに一般観覧者を受け入れる。(横田沙貴)
滝山寺鬼まつりは天下太平、五穀豊穣を祈る祭事で、まつりを締めくくる目玉の「火まつり」では主役である3人の「冠面者」が、国指定重要文化財の本堂内で長さ約2.5メートルの松明を持った若者に追い立てられる。本堂全体が炎に包まれる様子は圧巻だ。
今回の冠面者は、いずれも滝町在住で、祖父面を会社員の横山真彦さん(40)、祖母面を会社員の中根信悟さん(38)、孫面を同市常磐小学校4年の古嶋壮介君(10)が務める。
当日の午前9時から、宝物殿と本堂で寺宝展が開かれる。午後3時に、まつりの進行を担う「12人衆」や松明が本堂に向けて三門を出発。4時30分に本堂前で太鼓の奉納、5時30分から仏前法要、6時20分から長刀御礼振り、6時30分から鬼塚供養(豆まき)、7時から庭まつり(田遊祭)が行われてから、目玉の「火まつり」が始まる。8時終了予定。
山田亮盛住職は「鬼まつりをできることがありがたく、うれしい。ぜひ、松明の火の迫力や空気、竹の燃えるにおいなどを感じてほしい」と思いを語る。
当日は、名鉄東岡崎駅発の名鉄バスが臨時増発する。一般観覧者用駐車場として、同市龍北総合運動場が開放され、同運動場と滝山寺をつなぐシャトルバスが運行される。
鬼まつりは源頼朝の祈願によって始められたと伝わっている。室町時代末期に途絶えたが、江戸幕府3代将軍の徳川家光が滝山寺に東照宮を建立した際に、幕府の行事として復活。明治初期に再び中断したが1888(明治21)年に再開された。