運転手の空き時間活用
岡崎・つばさ交通 バス会社がシイタケ栽培
観光バスや送迎バスを運行する「つばさ交通」(本社岡崎市保母町、細井雅彦社長)がアグリ(農業)事業に取り組んでいる。バスの運転手らが昼間の空き時間などを利用し会社敷地内で菌床シイタケを栽培。収穫したシイタケは市内のスーパーなどで販売されている。昨年8月末に栽培を始めて間もなく半年。軌道に乗せようと懸命に努力している。(竹内雅紀)
同社従業員駐車場の一角に約30平方メートルのコンテナを3棟設置した。各棟で栽培時期をずらすことで安定的な収穫量を確保している。コンテナ内の温度は10〜12 °C、湿度は約80%に設定。半田市で仕入れた三重県産の菌床(1個2キロ)をコンテナに入れ、1週間ほど待つ。その間に各菌床を目視で確認しながら、シイタケを間引く。1つの菌床で約20個のシイタケが採れる。
コンテナには最大で約1000個の菌床を入れることが可能。計算上では約200キロ分のシイタケが収穫できる。実際の収穫量は1日平均で2〜5キロだが、多い時には50〜60キロという日もあるという。
収穫後は冷蔵庫に入れて熱を冷まして水分を抜いた後、丁寧に包装して出荷。1袋200グラム前後で販売価格は300円前後。会社付近を流れる乙川を望む地で育ったことから「乙なしいたけ」と商品名を付けた。
同社担当者によると、「乙なしいたけ」は肉厚で食感が良く、好評という。冬は鍋、夏はバーベキューなどに最適だ。現在はドミーやバローのほか、小久井農場直売所(岡町)やJAあいち三河の産直施設などで販売中。パッケージの種類を増やして、小料理店やホテル向けの商品も検討している。
問い合わせは、同社(55―2626)へ。