醸造所設置へ弾み
岡崎市全域が“ワイン特区”に
岡崎市全域が5日、国の“ワイン特区”に認定された。同日から市全域で酒税法の規制が緩和され、特産物のブドウを使ったワイン醸造所設置へのハードルが下がり、6次産業化への弾みがつく形となった。(横田沙貴)
特区(特別区域)は地域活性化などを目的に、国が限定的に規制を緩和させるエリア。酒造に関する特区は全国に存在するが、岡崎市の場合はワイン作りに特化している。酒税法で、ワインを含む果実酒の最低製造数量基準(1つの製造所が1年間で作らなければならない酒類の量)は6キロリットルとなっているが、特区内では2キロリットルに引き下げられる。
市農務課や企画課によると、市内では北部地域を中心に約28ヘクタールでブドウが生産され、年間収穫量は約360トン。だが、小規模な醸造所が市内になく、現状は市外の業者に委託している。特区になることで原料(ブドウ)の栽培から製造までを市内で行えるようになる。
2021年12月に市内のブドウ農家から要望があったことから準備を開始。市が国に提出した構造改革特別区域計画によると、23年4月〜24年3月に醸造事業者を1件、25年4月〜26年3月にもう1件増やし、年間生産量5キロリットルを目指す。市はさらに「岡崎産ワイン」のブランド化、新たな付加価値の創出や商品販売による生産地の知名度向上といった取り組みも推進する。