22年ぶりに表舞台
市美術館 ミロのビーナスの複製展示
岡崎市美術館東館で30日、「ミロのビーナス」(複製)の常設展示が始まった。
像は高さ2.4メートル、幅0.68メートル、奥行き0.49メートルのFRP(繊維強化プラスチック)製。フランス・ルーブル美術館所蔵の実物から取った型を基に作られているため、細部まで忠実に再現されている。制作は、1990年代ごろにフランス国立模造製作所が担当。像背面の下部にはルーブル美術館の公認であることを示す刻印も押されている。等身大のミロのビーナス像は現在、国内で6体ほどしか確認できていない(村松和明市美術館長調べ)という。
村松館長によると、像は97(平成9)年に市が約200万円で購入。2000年までおかざき世界子ども美術博物館(子美博)のロビーに設置されていたが、ブールデルの「弓を引くヘラクレス」(実物)の購入、設置に伴い、子美博の倉庫に収納されることとなった。その後は1度も公開されることなく保管されていたが、今回、市美術館の「岡崎アートヴィレッジ」(市民が参加できるアート体験空間)を充実させるため、22年ぶりに常設展示することになったという。
村松館長は「名作のスケール感や存在感を身をもって感じてもらい、パリに行ったような気分になってもらえれば」と来館を呼び掛けている。
入場無料で月曜休館。午前10時〜午後6時(入館は5時30分まで)。(犬塚誠)