強固な信頼関係でV
岡崎署の成田巡査部長と長谷川巡査
通信指令・無線通話技能競技会
岡崎署地域課地域1係の成田元貴巡査部長(32)と長谷川紗也巡査(23)がこのほど、愛知県警本部で行われた「第18回愛知県警察通信指令・無線通話技能競技会」で優勝した。この1年間、同署美川交番で実習指導員と実習生という“先輩後輩コンビ”として地域の安全を守ってきた2人。職務で築き上げた信頼関係を武器に、同署史上初めての優勝を勝ち取った。(犬塚誠)
同競技会は、2人1組のペアを通信指令係役と現場警察官役に分けて実施。架空の想定事案に対して2人が無線で連絡を取り合い、20分の制限時間内にいかに早く犯人を検挙できるかを競う。今回、成田さんと長谷川さんは大規模署の部門の「第1グループ」に出場。25チームが参加した予選を1位で通過し、6チームが進んだ決勝で優勝した。
決勝は「現場警察官がパトロール中に、女性から『見知らぬ男に刃物で手のひらを切りつけられた』という申し出を受けた」という想定で行われた。現場警察官役の長谷川さんは、被害女性に気を配りながら犯人の特徴や発生日時、場所などを聞き取って連絡。通信指令係役の成田さんは、長谷川さんから寄せられる情報などを総合し、他の警察官が犯人の検索に当たれるように情報を手配した。
2人は競技会までの約1カ月間、先輩署員のアドバイスなども受けながら100回以上練習。聞き取りやすい話し方や臨機応変に対応する力を身に付け、本番ではその成果を遺憾なく発揮した。また、成田さんの仕事や指導に気を抜かない姿勢や、長谷川さんの真面目さも勝因となった。
それぞれの経験や特性を生かして勝利を収めた2人。成田さんは「今回のように大きな事件は頻繁に起きるわけではないが、実際に重大事案が起きたときにはしっかりと生かしたい」、長谷川さんは「聴取項目などを染み付くぐらいやった。(実際の事案対応でも)落ち着いて得たものをスムーズに出していきたい」とさらなる飛躍を誓っている。