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東海愛知新聞

民間の動きを1冊に

岡崎・幸田のタウン誌「リバーシブル」40周年記念号

岡崎市と幸田町に特化した情報を掲載していたタウン誌「リバーシブル」(2021年8月で終刊)の創刊40周年記念号がこのほど、刊行された。発行のために取り組んだクラウドファンディング(CF、インターネット上での資金調達)の目標額には達しなかったが、支援者らの元には今年5月中旬に届いた。4代目編集長で元社長の浅井朋親さん(47)は「民間の動きを残したかった。何とか完成し、ほっとしている」と安堵(あんど)の表情を浮かべている。(竹内雅紀)

「リバ!」の愛称で親しまれた同誌は、1980(昭和55)年創刊。当初は隔月発行のA5判(有料)だった。創刊から2年後に月刊、第300号からはA4判に拡大してフリーペーパーとなった。「裏返しできる」という意味のリバーシブル。タイトル部分の一部反転も特徴だった。

浅井さんは創刊40年の節目に岡崎市と幸田町の民間の歩みを残そうと記念号を考案した。完成した記念号はA4判カラー印刷で267ページ。創刊号に始まり、特徴的な号を中心に過去の誌面を紹介している。編集者がコメントを寄せ、世情も掲載。当時の広告は時代を映す鏡として楽しめる。「あみん」としてブレーク直前の岡村孝子さんやF1参戦前のレーシングドライバー中嶋悟さん、マルチクリエーター内藤ルネなど岡崎市出身の著名人や、流行前のインターネット、オカザえもん、ユーチューバーの東海オンエアなども取り上げており、先見性があった。女子高生の制服や学校給食に関する特集も。「常にチャレンジャーだったし、小さなことでも多角的に捉えていたところが強みであり、面白さだったのでは」と浅井さんは振り返る。

新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受けて経営難となり、リバーシブルは21年8月の第490号をもって終了。浅井さんの双子の兄・和親さん(47)が経営する「和デザイン」が継承する形で同年9月からフリーペーパー「RARE(レア)」を発行している。「株式会社リバーシブル」は同年12月で廃業したが、“最後の仕事”として記念号の制作に取り組んだ。約70部発行し、CF支援者らに配布した。予定より約10カ月遅れたが、使命感で何とかこぎ着けた珠玉の1冊を「各世代で楽しめる保存版」とする。

朋親さんは現在、個性をコンセプトにした情報誌「RARE」のライターとして民間の歩みを追い続けている。

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