訓練生きた初期消火
幸田町消防本部 警備会社員を表彰
幸田町消防本部は6日、同町深溝で発生した車両火災で初期消火と通報を行ったとして「セコム蒲郡営業所」(蒲郡市港町)の坂部栄志さん(43)=同市=を表彰した。警備会社員としての経験を生かした坂部さんだが、「特別なことをしたという気持ちはなく、当然のことをしたまで」と謙虚に話す。(犬塚誠)
同消防本部によると、火災が発生したのは4月11日午前10時40分ごろ。坂部さんは業務で深溝の個人宅を訪問。屋外で打ち合わせをしていたが、しばらくして何かが燃えている気配を感じて見に行くと、敷地内の車両の下から火が出ているのを発見した。
「これは危険」と判断した坂部さんは、社用車に載せていた消火器を使って初期消火を実施。周囲の枯れ草にも延焼したため、119番通報した。けが人はなかった。
同消防本部で行われた表彰式では、小山哲夫消防長が感謝状を手渡し「被害が少なく済み非常にありがたい。セコムさんだけあり、常日頃から訓練されているのが強みになっている」と対応を絶賛した。
坂部さんは「今回の対応では、社員として日頃培った経験や日々の訓練で教わったことが生きた」と振り返った。その上で「今後、火災現場に出向いたときには落ち着いて消火できるように指導していきたい」と気持ちを新たにしていた。