地域に愛された半世紀
岡崎・梅園の「あいランド」31日で閉店
岡崎市梅園町の「フレッシュショップあいランド」が31日の営業をもって閉店する。前身の「梅園百貨」以来、半世紀以上にわたり地域住民の“台所”として愛されてきた同店。入居する「鳥居商店」の鳥居敏雄さん(72)は「長い間、商売を続けてこられたことへの感謝を込めて、最後の奉仕をしていきたい」と話す。(犬塚誠)
■憩いの“島”3店舗が営業
同店は55年ほど前、10店舗の商店主が寄り合って結成された「梅園百貨商業協同組合」の店舗として開店。さまざまな商店に加え、食堂なども入居していたという。その後、1984(昭和59)年10月の改装を機に、店名を「あいランド」と改称。由来は英語の「島」(island)で、「お客様1人1人が憩うことができる“島”となれるように」という願いが込められている。
改装後には、当時珍しかった「POSレジ」(商品をスキャンして計算するレジ)を導入して利便性の向上に努めたほか、特売や抽選会なども毎週開催。鳥居さんは「大型店にはかなわないからこそ、価格競争とは違った形でお客様に還元したかった」とその理由を打ち明ける。
現在は、精肉店と鮮魚店、菓子や雑貨などを扱う鳥居商店の計3店舗で営業。さまざまなイベントなどを通じた独自の営業戦略が功を奏し、大型スーパー出店などの影響もほぼ受けずに店舗のにぎわいを保ち続けてきた。
しかし、鳥居さんが自身の年齢や後継者の不在などを理由に鳥居商店の退居を決断。それをきっかけとして1月中旬、組合として閉店するという結論を出した。
梅園百貨時代から利用する同町の女性は「個人店が寄り集まっているのが魅力だった。アロー(2月28日閉店)に続いて近所の買い物先がなくなり、大ショック」と肩を落としている。
午前10時〜午後8時。日曜定休。