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東海愛知新聞

AIも知覚エラーか

基生研・渡辺准教授ら 共同研究グループが発表

自然科学研究機構基礎生物学研究所(岡崎市明大寺町)神経生理学研究室の渡辺英治准教授、小林汰輔特任助教らの共同研究グループは10日、独自の画像で学習を重ねたAI(人工知能)が錯視を知覚し、さらに画像が動くように見える錯視画像を作りだしたと発表した。

錯視とは、人間が視覚から情報を得る時に脳で情報を補完する際、動いていない絵が動いたり、見えないものが見えたりする知覚エラーの1種。「AIがデザインした動く錯視はおそらく世界初」という。

今回の研究は、脳の神経ネットワークの構造や動作原理を参考にして作られた特殊なAIを使い、錯視が起こる時の脳の動きとメカニズムを調査。同AIには300種類の動く錯視を含む計1500種類の画像データを学習させ、どのように知覚するか試すと、AIも人間や動物と同様に錯覚認識し、動く錯視を作成した。

この結果により、AIも錯視を認識し、錯視を作ることができると判明した。その一方で、AIが人間などと同様に錯視のような知覚エラーを起こす可能性が示された。基生研の渡辺准教授らは、「視覚の分析は自動運転技術の研究で重要性が増す。AIのエラーの特性を調べるという意味でも基礎研究が必要になる」としている。

また、AIを使った錯視の研究促進のため、同チームは研究で利用した錯視や画像をまとめたデータベースを公開している。()

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