特別授業でメダル披露
岡崎の小中22校 ノーベル化学賞の吉野さん
岡崎市内の小学5年生〜中学3年生を対象にしたオンライン特別授業が7日、市内22校で行われた。この日は2019年にノーベル化学賞を受賞し、名城大学終身教授などを務める吉野彰さん(74)が、「リチウムイオン電池が拓く未来社会」と題して児童生徒計4929人に講演した。(横田沙貴)
吉野さんは自宅からインターネット回線を通じて各校のモニターに登場。スマートフォンやタブレット端末などの電子機器や電気自動車(EV)などにも使われている「リチウムイオン電池」について、クイズやアンケートを織り交ぜながら紹介した。ノーベル賞受賞者に贈られるメダルを画面越しに披露する場面もあり、「重さは250グラムくらいあるのではないだろうか。けっこう重い」と率直な感想を述べた。
また、リチウムイオン電池開発のきっかけは「新型の2次電池(充電池)開発が盛んで、当時発表された新素材を電池に使ったら面白そうだったから」と説明した。研究内容の決め方について生徒に聞かれると「進路選択にも似ている」として
- 自分の技術や知識、経験などの社会に役立てられる(できる)ことから考える
- 世の中に必要とされるもの(目的)から考える
―という2つの方法を伝授した。
葵中3年の原田明來君は「吉野先生のような考え方は知らなかったので、進路選択の参考になった」と満足げだった。