保育者の質向上へ
岡崎女子短期大学 学内認定資格制度を創設
岡崎市中町の岡崎女子短期大学が今年度、幼児教育学科の学生を対象にした学内認定資格制度「オカタンサポーター」(オカサポ)を創設した。学生が在学中に幼稚園などの保育機関でアルバイトできるよう、短大が学生の実力を保証する制度で、保育現場を経験する機会をつくるとともに、保育者(保育士や幼稚園教諭ら)の資質向上につなげることを目標にしている。(横田沙貴)
オカサポは入学前に受ける選択制の科目「保育ベーシック」と、1年次の「教育実習Ⅰ」を受講した学生を認定する。一定以上の知識を有することを短大が保証することで、学生にとって学びの場ともなる保育士や幼稚園教諭の補助を行うアルバイトを積極的に推奨する。
今年度は1期生14人が誕生。このうち、幼児教育学科第一部1年の黒川みづほさん(19)は、欠町の第一早蕨幼稚園で延長保育の補助に挑戦し、「子どもとの接し方を知ることができ、良い経験になっている。学校の後ろ盾があると思うと先生にも相談しやすくて助かる」と満足げに話している。教職員の1人は「意欲的な姿勢が見えるようになっている」と効果を実感している。
オカサポは学長補佐の山下晋教授が考案。同大では2年間で卒業する幼児教育学科第一部在学中に5回程度教育実習を行うが、昨年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響で見学主体になるなど、学生が保育現場を経験する機会が少なくなっているという。
また、開学から56年の間に保育現場へ送り出した多数の卒業生と連携する機会が少なかったこともあり、学生のアルバイトを通じて卒業生のフォローアップなどにもつなげたい考えだ。
山下教授は「全ては保育を良くしたいという思いから。オカサポの学生を通じて保育現場の意見を吸い上げ、保育者教育に生かしていく流れを定着させたい」と意気込む。