自転車の活用推進を
岡崎市 計画策定に向け意見募る
岡崎市はこのほど、自転車の活用推進に関する計画の素案をまとめた。現状考えられる課題を列挙し、環境や健康、観光、安全などの面から対応策を立案した。素案に対する市民の意見を2月7日まで募集している。(竹内雅紀)
計画期間は2022〜30年度の9年間。途中で見直しを行う。
調査によると、市内での交通手段としての自転車利用は減少傾向だが、出勤や登校目的での利用は増えている。列車事故や交通渋滞といったトラブルに巻き込まれることが少なく、0.5キロ〜5キロの移動手段として自転車は効果的。さらに二酸化炭素排出量を考えると、自転車はエコな乗り物となる。今後は自転車走行専用レーンなどの整備や、愛知県内で3番目に多いとされる放置自転車(2020年度は187台)対策が急務となる。
自転車通勤者が増えているものの割合は6.3%(車は70%超)。自転車通勤優遇制度によって健康づくりの取り組みを後押しする必要性も記載されている。
観光面での自転車利用としては、17年度に試験導入したサイクルシェア(市内14カ所に拠点)が候補に挙がる。20年度には1万9893回の利用があった。市民だけでなく観光客の移動手段としても期待が高まっている。また、額田地域のサイクリングコースも人気があるという。
安全面においては、自転車が絡んだ交通事故は17年度の443人に比べて20年度は255人と減少している。また「自転車の走行は車道が原則で歩道は例外」の認知度こそ89%と高いが、順守度は27%と低い結果に。21年10月に努力義務化された自転車等利用者のヘルメット着用や、高齢者の運転免許証自主返納後の移動手段となりやすいことなどを考慮した安全利用の取り組みが必要としている。
具体的な取り組みとしては14施策を掲載しており、成果目標に
- 1日1時間以上の身体活動
- 交通事故件数減少
- 二酸化炭素排出量の減少
―を設定している。
素案は市役所や支所、ホームページで閲覧できる。意見は、住所と氏名(団体の場合は名称と代表者)、連絡先を添えて、市役所西庁舎3階の建設企画課へ。市のホームページ(パブリックコメント)からでも提出できる。問い合わせは、同課(23―6204)へ。
同課は「自転車のニーズは高まっている。環境負荷の低減や健康増進などの課題に対応するため、交通安全を図りながらの利用推進計画」としている。