移動手段提案しマース
あすから岡崎で1カ月間の実証実験
岡崎市内であす7日から、利用者1人1人に合わせた移動方法や交通手段を提案し、周遊観光の促進や地域経済の活性化を目指す取り組み「おかざきもっと楽しめマース(MaaS)キャンペーン」が行われる。2023年放送予定のNHK大河ドラマ「どうする家康」に向けた観光客への移動支援や周辺道路の渋滞対策などを考えるための実証実験として、2月6日までの1カ月間展開される。(横田沙貴)
MaaSは電車やバス、旅客機など複数の公共交通機関なども含めた目的地までの移動ルートを提案するとともに、乗降予約や運賃の決済も一手に行うことができる仕組み。今回のキャンペーンでは予約や支払いはできないが、移動ルートの提案は可能となる。
スマートフォンやタブレット端末の使用を前提としたサービス。専用ウェブサイトでバスやシェアサイクル、期間限定の周遊モビリティー(市内の特定の観光スポットを周遊する公共交通機関)といった複数の交通手段も含めた移動方法を検索できる。ほかにも、市内の33店舗で利用できる「デジタルクーポン」もある。
実施期間に合わせて、岡崎公園、まるや八丁味噌、伊賀八幡宮、大樹寺、滝山寺を巡る周遊モビリティー「家康まわりん号」が土・日曜、祝日のみ運行する。運賃は300〜400円。さらに、岡崎公園内で次世代電動車椅子「WHILL」の乗車体験もある。期間中の土・日曜、祝日の午前10時〜午後4時。
さらに、観光施設や有料の文化イベントなどを好きなだけ利用できるようになるサブスクリプションサービス(特定の利用料をまとめて支払うことで特定の期間中、指定されたサービスや商品を利用できる仕組み)を導入。岡崎城や三河武士のやかた家康館などが対象になるという。キャンペーン期間中はアンケートなどを条件に無料で利用できる。
新たなアプリ登録などは不要だが、通信料は利用者が負担する。一部サービスは、専用ウェブサイトからの申し込みや指定のウェブページの提示などが必要になる。
今回の同市の取り組みでは
- MaaSシステム自体の使い勝手の調査
- 人気の施設や店舗、移動手段と利用者の満足度といった観光施策を考えるためのデータ収集
- 身体障害者の岡崎観光の利便性の調査
―なども行う。
なお、岡崎市のほか、名古屋鉄道、Sonoligo、ナビタイムジャパン、名鉄岡崎タクシー、名鉄東部交通、名鉄バス、メイテツコムが参加している。