地元愛育む地域づくり
岡崎市 文化財保存活用計画が文化庁長官認定
岡崎市が文化財の保存・活用の方針をまとめた「岡崎市文化財保存活用地域計画」がこのほど、文化庁長官の認定を受けた。愛知県内で同長官の認定を受けた計画は同市が初めて。(横田沙貴)
文化財保存活用地域計画は、市町村単位での文化財の保存と活用に関する計画で、文化財保護法で認められたもの。住民や民間団体、市町村の関係部局などが連携して文化財の存続につなげることが期待されている。同長官の認定を受けると、保存修繕のための補助金などの支援が受けやすくなるなどの利点があるという。
同市の計画期間は今年度(2021年度)から30年度までの10年間。対象は、有形・無形問わず国、愛知県、岡崎市の指定や国に登録された347件(今年3月末現在)のほか、5583件を把握済みという未登録の文化財。生活文化、名産品、地場産業などの「もの」や「こと」も含める。
計画では、岡崎の歴史の特色を12個抽出し、
- 川と共に歩む
- 源氏・足利氏との関わり
- 家康公生誕の地
- 道が紡ぐ文化と祭礼
- くらしに息づく祈りと伝統
―の5つに分類。この分類に合わせて、関連文化財群を設定し、具体的な取り組みや事業を示した。
保存・活用の方向性は、「歴史と文化に親しみ おかざき愛を育む地域づくり」を基本理念に、「調査・研究」「保存・修理」「防災・防犯」「継承支援」「活用促進」の基本方針をそれぞれ示している。具体的には歴史文化資産の調査と文化財への指定・登録の推進、文化財保存事業費の補助、SNSやパンフレットなどを使った歴史文化資産の魅力発信や認知度の向上を図る。
3. は「徳川家の源流 松平氏の躍進」「家康公生誕の地 岡崎」「三河真宗と一向一揆」の3つの特色で構成。関連する文化財は、岡崎城跡や大樹寺、滝山東照宮、などのほか、伊賀八幡宮の「武者的神事」などの祭礼も含まれる。今後10年間で岡崎城跡本来の姿の解明や石垣の保存修理、ゆかりの社寺も含めた調査と価値付け、回遊ルートの設定などを進める。
同計画は市役所西庁舎1階の市政情報コーナーや福祉会館4階の市教委社会教育課、市ホームページで閲覧できる