水木しげる魂の漫画
岡崎市美博開館25周年 生涯たどる巡回展
「ゲゲゲの鬼太郎」「河童の三平」などの作品で知られ、2015(平成27)年に93歳で死去した漫画家・水木しげるさんの生涯をたどる巡回企画展「水木しげる 魂の漫画展」が7月31日、岡崎市美術博物館で始まった。9月26日まで。(横田沙貴)
会場には幼少期に描いたデッサン画や生原稿、愛用品など約350点を展示。中には没後に見つかった未完作「虫の絵本」の草稿、全国で初公開という妖怪「アマビエ」の直筆原画なども並ぶ。
太平洋戦争中、激戦地のラバウルへ出征した時の体験を基に描かれた漫画『総員玉砕せよ!』を紹介する一角は、原画だけでなく、緻密に描かれた作品の1こまや戦闘機、空から落ちてくる弾頭、戦死する仲間などを描いたパネルを使い、作中の世界を表現している。併せて同館所蔵の戦時資料約50点も展示し、戦中の状況を今に伝えている。
水木さんの代名詞とも言える、妖怪を紹介する一角では「ゲゲゲの鬼太郎」の主人公・鬼太郎をかたどった人形や、鳥取県境港市の水木しげるロード(JR境港駅と同市内の水木しげる記念館をつなぐ約800メートルの通り)に設置されている妖怪のブロンズ像と同じ型で作られた“姉妹像”などを見ることができる。
同展は17年に始まったがコロナ禍で2年中断していた。同美博が開館25周年を記念して誘致した。
観覧料は一般(高校生以上)1200円。中学生以下は無料。月曜休館。ただし、祝日は開館。午前10時〜午後5時。問い合わせは、同館(28―5000)へ。