「上質な脂乗る」
西尾・一色地区 ウナギの出荷ピーク
西尾市の特産品「一色産うなぎ」の出荷が現在、ピークを迎えている。「この日にウナギを食べると夏バテにならない」などと伝えられている「土用の丑の日」(28日)やお盆(8月13〜16日)に向けて需要が高まるこの時期、一色産うなぎの約3分の1を卸している一色うなぎ漁業協同組合員は「1年で1番の頑張りどころ」と気合が入っている。(髙木駿太郎)
昨年の愛知県のウナギの生産量は4315トンで鹿児島県(7057トン)に次いで2位。そのうち、一色産は3600トンで愛知県産の約8割を占めている。
ウナギの養殖には
- 11月〜翌年1月末ごろまでの比較的早い時期に取れたウナギの稚魚を池に入れ、7月の土用の丑に出荷する「単年養殖」
- 2〜4月ごろの比較的遅い時期に取れた稚魚を池に入れ、1年以上かけて養殖する「周年養殖」
―の2種類があり、一色産うなぎは 1. の方法で育てられている。
組合員によると、単年養殖のウナギの方が周年養殖に比べて、「皮が薄く、骨が少ないため身がやわらかく、脂が多い」ことが特徴。
また、一般的なウナギの養殖池は井戸水を使用しているのに対して、一色産うなぎは養鰻専用の水道で矢作川の水を活用し、自然の環境に近い養殖場で育てているため「ストレスが少なく天然に近いウナギが育つ」という。
同組合ではピークである7〜8月には約1300トンが出荷される。多い日には1日で1.5トンが集まるという。集荷されたウナギは見た目と重さで組合員が3P(3匹、1キログラム)、4P(4匹、同)、5P(5匹、同)の等級に選別する。その後、ウナギの臭みのもととなる泥を吐かせるために井戸水に漬け、青森〜兵庫県まで出荷される。
組合員は「今年も生産者の努力によって上質な脂が乗ったウナギが取れた。ぜひ土用の丑の日やお盆に合わせてご賞味いただきたい」と笑顔で呼び掛けている。