緑のふるさと協力隊
東京出身・西條さん 幸田町で1年間生活体験
幸田町にこのほど、NPO法人「地球緑化センター」(東京都中央区)の「緑のふるさと協力隊員」に登録されている西條大地さん(22)が派遣された。西條さんは来年3月中旬ごろまで、同町内の農家や農産物関係の仕事を体験する。(髙木駿太郎)
「緑のふるさと協力隊員」は過疎化・少子化に悩みながらも地域を盛り上げたいと考える自治体と、農山村での活動や生活に関心のある若者をつなげる同法人の事業。同町産業振興課の新規事業として要請をしたところ、今年4月13日に西條さんが派遣された。
西條さんは1年間、同町逆川で1人暮らしをしながら
- 農業、林業などに関係する現場活動
- 地域に密着したコミュニティー活動
- 役場事業に関連した各種業務
―を中心に経験していく。着任から1カ月経過した5月17日までに、道の駅「筆柿の里・幸田」(須美)のイベントや農作業の手伝い、林道整備などを行った。
生まれも育ちも東京の西條さんは「自然に関わることが少なかったため、農業などをやってみたい」と思っていたころに同事業を知り、応募。体験を通して「農業の手伝いをして、(農作物の)作ることの苦労を実感し、食べることのありがたみを感じている」とし、「おいしい料理が食べることができるのも農家の方々のおかげ」と感謝の意を表している。
また、幸田町については「住みやすい町。田舎で生活することに不安があったが問題なく過ごせている。東京と違い、近隣の住民が『1人暮らしで食べ物は大丈夫か』、『困ったら言ってくれ』など声をかけてくれて温かさを感じる」と好印象を抱いている。一方で「家族で楽しめるような施設がもっと増えるとうれしい」と苦笑いする。
西條さんを受け入れた農家などは、町のアンケートに「指示を的確に理解し、仕事も正確で大変助かった」と回答し、好感触を示している。
幸田町は「隊員の受け入れ自治体」として事業参画することで、農林業が抱える後継者問題の解決のきっかけになることを期待。隊員が新たな「幸田町のファン」や「農林業就業者」、「定住者」などとなり「地域に愛着を持った住民」の創出につなげることを目指している。