新型コロナワクチンロス「ゼロ」へ
岡崎市がキャンセル分有効活用
岡崎市は14日、「ロスゼロ岡崎プロジェクト」と題して、新型コロナウイルスワクチン接種の効率的な実施に向けた取り組みを始めた。市内の医療機関で5月下旬開始予定の「個別接種」時に予約キャンセルでワクチンが余った際に、地域で働くエッセンシャルワーカー(社会生活に必要な労働者)に接種を行うことでワクチンの廃棄を回避する仕組みづくりを進めている。(横田沙貴)
同市では、米国・ファイザー社製のワクチンを使用する予定。同社のワクチンは氷点下75°C以下で保管し、接種時間に合わせて解凍・希釈して使う。だが、解凍後は6時間以内に投与できないと効果がなくなるため、余ったワクチンの扱いが課題になっている。
予約キャンセル時の対応は各医療機関で分かれており、医療機関の従業員らに接種を行うこともある。だが、6時間以内に接種できる人物が見つからない可能性も考えられるという。
市では「貴重なワクチンのロスを防ぐ手段」として、エッセンシャルワーカーへの接種を考案。市側は、市内に勤務するエッセンシャルワーカーから地域別に候補者をリストアップ。医療機関でロスが発生しそうになった場合、市がその医療機関付近に勤務する候補者を紹介する。
候補者として老人施設や障害者施設の職員らが挙げられているが、今後のワクチン確保にかかる動向や効率化の手法なども踏まえ、方法を改良していくという。市企画課は「ワクチン接種の予約者や各医療機関の医療従事者らに接種し終わってもロスが出そうなときに利用してもらいたい」と呼び掛けている。