がん診療を完結へ
岡崎市民病院 緩和ケア病棟 あすから運用
岡崎市民病院は4月1日、同院8階南で「緩和ケア病棟」の運用を始める。終末期のがん患者らの苦痛な症状を和らげ、家族と過ごすことができる病棟で、患者とその家族のQOL(生活の質)の向上につなげる。(横田沙貴)
同市では2019年4月に県から経営移管された「岡崎市立愛知病院」の専用病棟で患者の緩和ケアを行っていた。だが、愛知病院が新型コロナウイルス感染症専門病院として昨年10月に再び県営化されたため、愛知病院入院患者の受け入れ先を早急に確保しなければならなくなり、市民病院の一部を急きょ改修した。
病床数は、個室12室、2床室(ベッドが2つある病室)4室の計20床。「穏やかさと温かさと静かさ」をコンセプトに、木目調の内装材などが使われている。患者の家族が利用できるキッチン、共有スペースのラウンジ、起き上がることが困難な患者も入浴できる「特殊浴槽」などもある。
病棟には医師2人と看護師21人が専属で従事して患者の入院生活をサポートする。また、痛みなどの症状を和らげる治療が必要なときに入院して薬剤の調整などを行う「症状コントロール入院」や、在宅介護の準備などのために一時的に入院する「在宅調整入院」の患者も受け入れる。
市民病院は「愛知病院経営移管の最大のメリットである『あらゆる領域、あらゆるステージのがん診療』を市民病院で完結できる体制が予定よりも早く実現できた」としている。