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東海愛知新聞

「命」の大切さを学ぶ

県立農業大学校 中村さんが意見発表で最優秀賞
「豚の教え」

県立農業大学校教育部農学科養豚養鶏専攻1年の中村彩乃さん(19)がこのほど、「令和2年度全国農業大学校等プロジェクト発表会・意見発表会」(全国農業大学校等協議会主催)の意見発表の部で、最優秀賞(農林水産省経営局長賞)を受賞した。()

道府県立農業大学42校と民間農業教育施設5校の計47校が、農業経営実践学習の成果(プロジェクト発表の部)と学生の農業に対する思い(意見発表の部)を発表した。校内で行われた審査会で学校代表となり、県大会に相当する東海・近畿ブロック大会に出場し、中村さんを含む2人が全国大会に当たる今回の発表会への切符を手にした。

例年、発表会は東京都内で行われているが、今年度は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、撮影した動画を送って審査が行われた。

中村さんは「豚の教え」と題して発表。もともと、動物が好きだった中村さんと養豚との出会いは高校生の時。愛情を込めて育てただけに豚を出荷することに複雑な気持ちを抱いていたが、育てた豚を食べた時に命の大切さや豚に対する感謝の気持ちを痛感した。さらに、大学校の農家派遣研修での病気の豚の安楽死と解剖を体験。農家の「豚を解剖するのは命を無駄にしたくないから。病気の原因を探り、ほかの豚を救うため」という1言に「豚の命を1頭も無駄にしたくない」と強く思うようになった。

畜産を残酷だと思う人もいるが、養豚農家は愛情を込めて豚を育てている。近年、世間でアニマルウェルフェア(家畜の行動欲求が満たされ、健康的な生活ができる飼育方法を目指すあり方)に配慮した畜産への関心が高まっている。「私の考えるアニマルウェルフェアは『豚が尻尾を楽しそうに振っていること』」―と発表で締めくくった。

中村さんは受賞について「まさか、最優秀賞を受賞できるとは」と驚き、今後について「とにかく、養豚について知ってもらうために、SNSなどを活用し豚を紹介していきたい」と意気込みを見せている

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