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東海愛知新聞

観光事業 依然不透明

岡崎市 新年度予算は大幅減

新型コロナウイルス感染拡大の影響で打撃を受ける観光産業。観光振興に力を入れてきた岡崎市も、市議会3月定例会(26日開会)に上程する新年度一般会計当初予算案では観光関連の事業費が大幅に削減されている。限られた財源で、市民に根付いている岡崎の桜まつり岡崎城下家康公夏まつり花火大会、家康行列は規模を縮小して行い、ほかの事業は市内の感染状況などをみながら実施を検討する方針だ。()

市観光推進課によると、歳出の中で、観光施策や観光イベントの委託料などが盛り込まれた「観光費」は前年度当初比より26.6%(1億6003万円)減の4億4万3054万円。事業別にみると、市が近年、力を入れているインバウンド(外国人の訪日旅行)向けの観光PRなどを行う「外国人観光客誘致業務」は当面、訪日客の来訪が見込まれないことや海外での誘致活動ができないことなどから73.8%減。幅広い地域や世代に観光誘致を行う「観光プロモーション推進事業」は57.8%減となっている。

例年であれば市主催のイベント事業費が計上される「観光イベント推進業務」は23.0%減の2億1254万円。新型コロナの急速な収束はないとみて、2020年度に実施できなかった行事と現時点で花火大会以降に予定されている大規模な行事は原則事業費を当初予算案に計上しなかった。このため、五万石藤まつり(中止)、将棋まつり(5月の予定から11月に延期)、泰平の祈り(11月)の事業費はない。また、実行委員会形式で行われている岡崎城下家康公夏まつりや家康公生誕祭への事業費補助金、商工費で計上される岡崎城下家康公秋まつり商工フェアの事業費も新年度当初予算案には含まれていない。ただし、準備期間も含めて実施が可能と判断されれば、補正予算を編成して対応するとしている。

3月下旬から4月上旬に予定されている桜まつりは、ライトアップの時間短縮や範囲の見直し、屋台の出店数を減らすといった形で感染対策と共に経費削減も進める。

東京五輪の影響で9月11日開催予定の花火大会は、安全確保のために警備員らは例年と同程度の人数を確保するが、市が打ち上げる花火の調達や打ち上げるための委託料を30%減額する。

家康行列は新型コロナ感染拡大防止のため4月4日から11月に延期する。行列の参加人数を減らし、行列距離を短縮する。家康行列の秋開催について中根康浩市長は2月16日の記者会見で「不要不急の事業は少し我慢して、まずはコロナ対策を優先」とした上で、「必要な事業とは思っているが、急を要するものではないという位置付け。秋までに収束してほしいという願いと秋には実施したいという思いで延期した。予定通りに行うことができないのは残念」と述べた。

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