家族も地球も健康に
岡崎・小原木材 地元産材使用の規格住宅
岡崎市針崎町の小原木材(小原淳社長)は、地元の企業・団体と連携し、三河地域の木材(ヒノキ、スギ)を使い、住人や地球環境に配慮した規格住宅「メゾン・ド・シャンピニオン」を販売している。小原社長は「家族と地球の健康を考えた住宅。安全で快適な暮らしを送ってほしい」と話している。(竹内雅紀)
同社は、顧客の要望を聞いて設計する注文住宅を主事業としているが、今回は間取りや資材、デザインなどを固定化(パッケージ化)した規格住宅に取り組んだ。小原社長は「世界中が取り組むSDGs(持続可能な開発目標)の中で建築業界としてどうするかを考えた時に、家族と地球の健康に配慮し、地域社会にも貢献する住宅が思い浮かんだ」と言う。シャンピニオンはマッシュルームを意味する。
同社は、岡崎森林組合(明見町)、本州林業(才栗町)、奏林舎(千万町町)、しらい(宮崎町)、山岩木材(東河原町)の市内5団体・社と連携。伐採や製材を経て仕入れたヒノキとスギを使って施工する。地元のものは地元で使用するという“木の地産地消”を実践。輸送距離が短い分、コストや二酸化炭素(C)排出量が削減できる。
規格住宅は木造2階建ての2LDK。延べ床面積は97.73平方メートル。木材使用率はヒノキ7割、スギ3割で、耐震・断熱性能は国が定める等級の最上位となっている。
外観は、正面外壁に防腐加工をしたスギの板を張り、それ以外の壁と屋根には雨風に強い耐久性のあるアルミニウムと亜鉛の合板を使用。外壁内には断熱性と吸収湿性に優れたウール断熱を使用して結露防止に役立てる。
内装面では、塗装しない木材(無垢の木)をふんだんに使用することで室内のCを吸収、木の湿度調整能力によるカビの発生抑制、消臭、抗菌作用、木の匂いによるストレス軽減などが期待できるという。さらに常に空気循環できるよう、1階南側には床タイルを設け、そこで暖められて上昇した空気が、2階の格子状になった床の隙間から流れ、傾きを設けた天井によって対流する仕組みを作った。
価格は2090万円(土地代は含まない)。工期は約4カ月半で注文住宅よりも2カ月半ほど短縮できる。小原社長は「三河地域の方々、特に若い世代に購入してもらえたら」と話す。幸田町内にはモデルハウスがある。問い合わせは、小原木材(51―2253)へ。