目標は「世界の舞台」
岡崎出身の前田さん
バイク日本選手権で3位
YAMAHAと契約する岡崎市出身のプロライダー前田恵助さん(23)が、今年の「全日本ロードレース選手権ジャパンスーパーバイク(JSB)1000」で好成績を残し、若手ホープとして今後の活躍が期待されている。
5歳のころから、バイクのレースに参加していた前田さん。岡崎市竜海中学校を卒業時に「レースに集中できる環境に身を置きたい」と考え、定時制高校に入学。高校3年のころ、プロレーサーを志望していた父が亡くなり「父の夢を叶えることが親孝行」と考え、この道に進むことを決心した。
JSBはシーズンを通して行われるレースの1〜20位がポイント(25〜1点)を獲得し、ポイントが最も多い選手が年間チャンピオンとなる。
前田さんは、2018(平成30)年にYAMAHAの若手ロードレーサー育成チーム「YAMALUBE RACING TEAM」に加入。しかし練習走行中に転倒し、両膝脱臼とじん帯を7本断裂、寝たきりの生活が続いた。その年のJSB1000はシーズンの大半を欠場することになり、ランキング21位(全38人中)と苦い経験をした。
この経験と悔しさをバネに練習を重ね、今年はランキング8位となり、さらにシーズン中のレースでは自己ベストとなる3位を達成し表彰台に上った。
各メーカーの威信を背負ったライダーが出場する同選手権で、若手ライダーが表彰台に上るのは相当の実力が必要だという。しかし前田さんは「うれしいけど、3位だから」と話し、「先輩は世界大会のワールドロードバイク選手権の出場が決定している。自分も追い付けるように同じ舞台に立って活躍することが目標」と闘志を燃やしている。(髙木駿太郎)