5万円給付を断念
中根市長 「やりたいけれど、やれない」
岡崎市の中根康浩市長は20日の定例記者会見で、市長選の目玉公約に掲げ、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた市民への支援策としていた“全市民一律5万円還元”に当たる「おかざき市民応援給付金」について、「(現金給付は)やれない」と述べ、事実上の断念を表明した。(橫田沙貴)
同給付金は、全市民に一律5万円を給付する事業。選挙時は争点の1つになっていたコンベンション施設等整備事業(事業費約80億円)や財政調整基金の取り崩しなどを財源とすると主張していた。しかし、就任後に財政調整基金や、公共施設の保全や名鉄東岡崎駅周辺地区の整備などの5つの目的別基金を取り崩して確保すると方針を転換。18日に閉会した市議会11月臨時会で事業費約195億円を計上した一般会計補正予算案や、目的別基金の廃止などの関連議案が反対多数で否決された。
断念の理由については、市議会最大会派から「減額したとしても現金給付すべきではない」といった発言を受け、「議会や意見交換の結果、市民の声などをよく吟味して、これ以上原案に固執してはならないと突きつけられた」と釈明。ただ、新型コロナ対策は引き続き検討する意思を示しており、「原案から引き算するのではなく、市民に求められるコロナ対策をゼロベースの足し算で取りまとめたい」と述べた。
今後も現金給付を行わないかを報道陣に聞かれると「『やれない』ということを議会が決定した。今でもやりたいけれど、言ってもやれないでしょ、独裁者じゃないんだから」と答えた。
桜城橋「不要」 思い変わらず
また、選挙中に「不要」と主張した桜城橋については、「人道橋はいらないという思いは今も変わらない。ただ、あるものはあるものとして活用する以外ない」と説明。その上で、中心市街地に回遊性を生む効果が期待される「QURUWA戦略」については「否定しない」とした上で「(同戦略を)行うとしても橋は必要なかった」と発言した。
副市長人事 男女問わず
さらに、“5万円還元”とともに公約に加えた「女性副市長の起用」については「選ぶには今しばらく時間が必要」。ただ、「来年3、4月までに見つからなければ男女を問わず、しっかり仕事をしてもらえる人にやってもらう」とした。
また、会見冒頭には、市内の感染状況が「レベル3(警戒期)」であるとして、3連休を前に
- マスクの着用
- 手洗い・消毒
- こまめな換気
- 3つの密を避ける
- ソーシャルディスタンス(社会的距離)の確保
—の対策の徹底を呼び掛けた。